記憶術は、大きく2つに分類できます。一つは、純粋に記憶のコツのようなテクニックによって記憶の効率を上げる方法であり、もう一つは、人間の能力自体を向上させることによって記憶力を上げる方法です。
自分の部屋のように決まった場所を使って覚える場所法や、物を掛けるためのフック(鈎)を想像して、これに記憶すべきものを対応させる「フックの方法」などが前者の例として知られています。
後者の例としては、視野の拡大や、右脳の活性化などによる方法や、記憶力の向上によい食品や生活スタイルの追求などがあります。
記憶術の大事な概念に”分割””組み立て”が存在します。短期記憶は7±2の法則(個人差がある)により、あまり多くの情報を一度に詰め込むとそれに対処できません。膨大な情報を記憶するにはそれをいくつかの短いピースに分割して記憶し、後にそれをつなげる組み立てを行うことで記憶を完成させるという概念です。
個人指導シグマの代表河野は、ローマン・ルーム法という2000年前にキケロが基礎を作った記憶術の簡単な物が出来ます。簡単なトレーニングで私でも出来るようになりましたので、慣れれば誰でも出来るようになると思われます。塾生に教えてみましたが、10分もたたずに簡単なものならできました。。基本的なやり方さえ分かれば、あとは個人のトレーニングで能力を伸ばせます。
記憶術には様々なものがあります。でも、基盤となっているのは”想像”と”関連”です。トニー・ブザンは、記憶力を高め関連づけや結びつきにより頭に描いたイメージを際立たせるための12の記憶テクニックを考えました。マインドマップにも記憶術のアイディアが盛り込まれています。
SMSSHINSCOPE(記憶の広大な範囲)と名付けられています。
感覚的なもの
私たちは、感覚器をから情報を受け取っています。そうであるならば、自分の感覚をもっと敏感にすれば記憶力も高めることができるのではないでしょうか?記憶術の達人や記憶術師などは、それぞれの感覚を研ぎ澄まし、さらにこれらの感覚を混合させて高度な記憶力を身に付けました。この混合された感覚のことを共感覚と呼びます。
動きのあるもの
動きを入れると脳がそれを結びつける範囲が広がります。動きの要素として記憶のイメージの中にリズムを使いましょう。そうすると、心の中の絵はいっそうはっきりして記憶されやすくなります。
関連性のあるもの
記憶したいものを自分がよく知っているものと関連づけると覚えやすくなります。例えば3といえばさんま、6といえばロケットのようなものです。自分の頭の中で簡単にイメージできるものに関連づけることで現実にあてはめやすくなるのです。覚えたい情報を、記号・順序・数字・模様と関連づけてみましょう。覚えやすいはずです。
性的なもの
これは、学習塾なので記述を最小のものとします。男子高校生は、得意な分野なので言わなくっても使うと思います。使い過ぎに注意を。
滑稽なもの
面白いものは、頭に残ります。脳は楽しいことが好きです。自分が愉快だと感じるものは頭に残っていませんか?特に、イメージが面白いものは頭に入れるのが簡単です。脳は、80パーセント以上画像を記憶します。
面白いもののイメージを記憶したいものと結びつけてつくりましょう。例えば、トランプのハートの6は、”スカートをはいたロケット”のイメージを頭の中で作ります。これを、頭の中に植え付けると忘れなくなります。この典型的な方法が、高校の社会で聞いたことがあるかもしれませんが、キケロが基礎をつくったローマン・ルーム法といわれる記憶術です。
言葉とイメージを結びつけるのは初めは難しいかもしれません。でも、慣れるとだんだんできるようになります。言葉をイメージ化してローマン・ルーム法を使えれば暗記で苦しむことは少なくなります。さらに、マインドマップを使いこなせればキーワードを有機的につなぐことができますので丸覚えの弊害もなくなります。
想像力をかきたてるもの
アインシュタインは言いました。「想像力は知識よりも大切だ。知識には限界があるが、想像力は地球全体を包み込み、進歩を促して進化を生んだ。」
そうです、飛行機も電球も人間の創造から生まれました
固定概念にこだわらずに自由に想像しましょう。その想像力は、頭の中に明確なイメージを作り出します。イメージが明確な方が記憶が鮮やかなものとなります。トニー・ブザンも言っていました。「イマジネーションとアソシエーションが大事。」だと。このことは、記憶術を学ぶと「なるほど!」と、納得できます。想像力は、とても大切です。
7.数字を使ったもの
数字は、順序を与えて強いインパクトをのこします。そうすると、記憶がより具体的になります。
記憶術ローマン・ルーム法でも頭の中の部屋のものに1番から10番まで番号を付けていきます。その方が記憶に残りやすいのです。
普段からなんでも順番を付けているではないですか。その方が使いやすい(覚えやすい)からです。
リンゴ、ミカン、バナナ、なし、スイカ、メロン、カキ、キーウィ、イチゴ、ブドウ
1.リンゴ
2.ミカン
3.バナナ
4.なし
5.スイカ
6.メロン
7.カキ
8.キーウィ
9.イチゴ
10.ブドウ
と書くのでは、どちらが覚えやすいですか?
記号を使ったもの
記号は、情報を簡単なイメージに変換して想像力をかきたてて記憶を定着させます。記憶を促すために記号をつくる過程は、ロゴを作成する過程に似ています。会社のイメージなどには隠れたストーリーがあります。時としてそれは、もともとの情報よりも強いインパクトを与えたりします。例えば、黄色のとまれの標識です。記憶のための記号は、周りにあるものを使ってもかまいません。
色彩の豊かなもの
色は、脳を刺激します。モノクロの写真とカラーの写真のどちらがインパクトがありますか。もちろんカラーですね。なるべく多くの色を使いましょう。
色を使って視覚に訴えると、読む意欲、参加する意欲が80%高まる。(ロナルド・E・グリーン) プレゼンで色を使うと60%見やすくなり、検索時間を82%短縮でき、70%理解しやすくなり、記憶の呼び戻し能力が60%向上し、ブランド認知度が70%高まる。(ジャン・V・ホワイト)
順序・並び方
他の手法と組み合わせて順序や並べ方を工夫すると、素早く情報に参照できるようになり、脳のランダムアクセス能力を高めます。例えば、小さい順に並べたり、色分けしたり、カテゴリー別や、階層グループ別に分類したりです。
前向きなもの
前向きで気持ちのいいもの法が記憶には適しています。それは、脳が悪いイメージのものよりも良いイメージのものを回想したがるからですなるべく自分にとって前向きになるようなものを使いましょう。
誇張されたもの
イメージは、大きく、変形したやかましい物にしましょう。頭の中でスケールの大きいとんでもないものを想像してください。大きさ・形・音が誇張されたイメージほど頭に残りやすくなります。例えば、アニメのキャラクターはどうでしょう。シュレックなどはすぐに覚えてしまいますね。
以上のものを使うと覚えやすくなります。
記憶は、想像と連想から成り立っておりこれは、マインドマップを作る基礎になりました。