個人指導シグマでは、学習意欲がない生徒さんに対して”10年後の自分を考えましょう!”とアドバイスすることがあります。
今しか見ていない生徒さんに目線を未来に向けてもらうことによって、自分の将来の姿をイメージしてもらいます。
最初は、自分の将来像を描けない人が多いです。
でも、時間をかけて考えるとおぼろげながら見えてきます。
このように自分の頭で考えることで、何をやるべきかが分かる人が出てきます。
将来のイメージがはっきり見えてきた人は、急に頑張り始めたりします。
でも、考えている仕事が10年後に無くなっては・・・
今ある仕事の半分以上はなくなる
AIの進化により今ある仕事の大半がなくなる。
こんな話を聞いたことはありませんか?
2014年に発表されたハーバード大学のマイケル・A・オズボーン博士の論文に具体的なことが書かれています。
オズボーンの論文の中で将来なくなる可能性が高いとされている職業は
- 銀行の融資担当者
- スポーツの審判
- 不動産ブローカー
- レストランの案内係
- 保険の審査担当者
- 動物のブリーダー
- 電話オペレーター
- 給与・福利厚生担当者
- レジ係
- 娯楽施設の案内係、チケットもぎり係
- カジノのディーラー
- ネイリスト
- クレジットカード申込者の承認・調査を行う作業員
- 集金人
- パラリーガル、弁護士助手
- ホテルの受付係
- 電話販売員
- 仕立屋(手縫い)
- 時計修理工
- 税務申告書代行者
- 図書館員の補助員
- データ入力作業員
- 彫刻師
- 苦情の処理・調査担当者
- 薄記、会計、監査の事務員
- 検査、分類、見本採集、測定を行う作業員
- 映写技師
- カメラ、撮影機材の修理工
- 金融機関のクレジットアナリスト
- メガネ、コンタクトレンズの技術者
- 殺虫剤の混合、散布の技術者
- 義歯制作技術者
- 測量技術者、地図作成技術者
- 造園・用地管理の作業員
- 建設機器のオペレーター
- 訪問販売員、路上新聞売り、露店商人
- 塗装工、壁紙張り職人
オズボーンの論文「雇用の未来」より
自分に身近な職業が入っていたりしませんか?
自分が選択した仕事が将来なくなるものであったならばどうでしょう?
ぞっとしませんか?
p.s.2024年の今、かなり現実化しています。ファミレスにはロボットが入り、銀行の窓口も縮小されてきました。今後もこの傾向は、続くと思われます。
将来性のある分野って何?
将来なくならない仕事って何でしょう??
単純に考えるならば、コンピュータで代わりが務まらないような仕事
創造性や独創性が要求されるものでしょうか?
これについてもオズボーンの論文の中に書かれています。
コンピューターに代替されにくい仕事
- レクリエーションセラピスト
- 最前線のメカニック、修理工
- 緊急事態の管理監督者
- メンタルヘルスと薬物利用者サポート
- 聴覚医療従事者
- 作業療法士
- 義肢装具士
- ヘルスケアソーシャルワーカー
- 口腔外科
- 消防監督者
- 栄養士
- 施設管理者
- 振り付け師
- セールスエンジニア(技術営業)
- 内科医と外科医
- 指導(教育)コーディネーター
- 心理学者
- 警察と探偵
- 歯科医師
- 小学校教師
オズボーンの論文「雇用の未来」より
将来の仕事を考えて大学・学部を考えるべきでは
中高生に将来の職業について聞いてもはっきりした返事が返ってきません。
ほとんどの人は、そんなに考えてはいないのです。
でも、このまま何も考えない状態で大学に進学していいのですか?
学部によっては、将来の進路の選択の幅が狭まります。
将来なくなる可能性が高い分野ばかりしか選択できないような学部で大丈夫ですか?
大丈夫なわけがないですよね。
今のうちにちゃんと考えておいた方が良いでしょう。
もちろん、将来の職業を中高生のうちから決めることは難しいことです。
でも、ある程度考えて置くことは大切なことです。
受験の偏差値っていつまで有効なのだろうか?
一昔前は、大学受験でどの学校に進学したのかがとても重要でした。
それは、今でも重要ですが昔ほどではないかもしれません。
大学受験で勉強することをやめた人よりも大学入学後も自分で勉強を続けている人の方が評価されたりします。
どこの大学を出ているのか<何が出来る人なのか
もちろん、まだまだ学歴社会です。
就職に際しても学歴フィルターが活用されています。
しかし、終身雇用から転職が一般的になり、新卒一括採用から中途採用が活発に行われるようになると状況が変わるかもしれません。
医学部だって安泰ではない
医学部の人気は非常に高くなっています。
それは、一度資格を取れば高年収が期待できるからではないでしょうか?
でも、この状況がずっと変わらないのでしょうか?
歯科医や弁護士のように規制が緩和されて供給が増えたらどうでしょう?
同じような状況になるのではないでしょうか?
現在、有利な職業も将来は分からないかもしれないのです。
大学生の人気就職先ランキングはあてにならないかも
毎年、大学生の人気就職先企業ランキングが発表されています。
これを見ると面白いことが分かります。
”今人気がある会社は将来生がある会社とは限らない”ということです。
かつては、鉄鋼や造船などの会社が人気がありました。
そんな会社は、今はどうでしょう?
韓国や中国の会社に追い上げられリストラの末に青色吐息では・・・
”おいしい生活”というキャッチフレーズで人気のあった会社もありました。
今は、どうでしょうか?
まずは将来のことを考えよう!
10年後のあなたはどんな仕事をしているのでしょうか?
今は、まだ分からないかもしれませんね。
でも、将来のことを考えることは無駄なことではありません。
未来に目を向けると色々なことを考え始めるのではないでしょうか。
人によっては、いろいろなことを調べ始めたりもします。
時間があるときに将来のことを考えてはいかがでしょうか!
最後に、米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンが2011年8月、ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った予測から
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
追記:2023年10月現在、予想は徐々に現実化してきています。
人が少なくなった分野は
スーパーのレジ係
ファミレスの店員
ジムの指導員(チョコザップなど)
銀行の窓口
会計事務所の仕分け入力
などなど
私が知らないだけでもっとある筈です。
縮小する分野に入っても苦労するだけです。
中高生の皆さんも自分の将来従事する分野は、慎重に選ぶようにしましょう。
10年後、後悔しないために!
将来の職業を決めたら、それに向けて努力すればいいだけです。
そのためには、どの大学のどんな学部に入るべきかも大体決まります。